CNタワーにぼっちで登った話
俺の高校は東京タワーのすぐ近くにあった。だから東京タワーの中にあるフードコートとかにはしょっちゅうお世話になった。けれども1回も上まで登ることなく俺の高校生活は終わった。たぶん俺にとっての東京タワーは、知らず知らずのうちにあまりにも身近な存在になってたんだと思う。
さてさて、今日は休日。1週間の疲れがどっと来た。昼過ぎまで寝てた。そこから重い体を起こしてNetflixでドラマを見る。ドラマを流しながら昼ご飯も作る。食べ終わる。
なんとなく家を出たくなった。屋内にいると時間がいたずらに過ぎていく気がしたから。
とりあえず自分の登録しているダウンタウンのジムに行く。ちょうどいい感じに汗をかく。終わって時計を見てもまだ17時。ここからまた家に帰る気分には何となくなれなくて自転車でダウンタウンを無目的に走ることにした。
そうだ、オンタリオ湖をみよう。途中でそう思って方向をユニオンステーションの方へ。そのときふといつも見ているCNタワーが目に入った。
あれ、なんだかいつもよりきれい。そっか、太陽の光を反射して輝いているんだな。そういえばまだこっち来てから1回も登ってねえ。
そう思ったら急に行きたくてたまらなくなった。昨日初めてのバイトで少しお金もらったのもあり、出費には寛容な気持ちになっていた。それに、今日を逃したら2度と登らない気がしたから。なんとなく。
とりあえず自転車でオンタリオ湖まで走る。湖が夕方の太陽の光を反射しててとてもきれいだった。しばらくベンチでぼーっと眺めてた。
このまま時が止まってもいいんだけどな、
ずっと座ってるわけにもいかないので腰を上げる。CNタワーはすぐそこだった。
チケットを買ったり荷物検査をしてるうちに夕方に。夕焼けをどうしても上から見たかった。
ようやくエレベーターに乗れたのが19時過ぎ。サマータイム中のトロントはこの時間でもまだ明るい。
ついた
よかった、間に合った
もう少しいてくれないかな、太陽さん、、
それから俺は歩き回った。狭い展望台の中を何周も。少しでも色んな角度から景色を見たかったから。少しでも多くのトロントの表情を知りたかったから。
気付いたらもう夜か。地平線ってこんなにはっきり分かるんだな。
みんな元気かな、、
いけねえ。視界が滲んでくる前に行かなくちゃ。そう思って俺はエレベーターに乗りこんだ。
CNタワーの出口を出たらいつものビル群がそびえていた。
なんだか今日はその光景に温もりを感じた。
駅に向かう。ふと後ろを振り返った。
また来てね
そう言われた気がした。
うん、また行くよ☺今日はありがとう。おやすみなさい🌙